【サラバ!/西加奈子】感想 自分を変えたい人に贈る貴子の3つの名言
・今の自分を受け入れられない人
・自分何もできないと思っている人
・元気なしなし度が”けむし”、"さなぎ"の人
『サラバ!』評価
感動する :[star rating="4"]
共感する :[star rating="3"]
タメになる :[star rating="5"]
背中押される:[star rating="4"]
読みやすさ :[star rating="4"]
読んでほしい人:けむし、さなぎ
この小説は強烈でした。
自分の読んできた中でも大好きな小説です。
個人的には今後の生き方に悩んでいる人に読んでほしいですね。
なので、多少は先のことを考えられる”けむし”や”さなぎ”の人がいいのかもしれません。
「今の自分には何もない」と思っている人は特に、作中のセリフが響くのではないでしょうか。
単純に物語としても楽しめるので、現実逃避として読むのもいいですね。
ただ文量は結構多めなので、本を読むこと自体に慣れてない人はしんどいのかもしれないです。
そして今でも強烈に印象に残っているのが本の帯です。
私が購入した時は芸人で作家の又吉直樹さんが本の帯を書いていたのですが、その紹介文がまさにその通りという感じで素晴らしいんですよ。
これは、あなたを魂ごと持っていく物語
出典:『サラバ!』下巻解説より
さぁ前置きが長くなりましたが、どんな点が良かったのか具体的に説明していきます。
説明の前に、観てほしい人の”さなぎ”とかってなんの話?
どれだけ元気がないかの度合いです。
詳しくは『ブログの詳細』をご覧ください!
『サラバ!』概要
著者 西加奈子
”サラバ!”について
ちなみに特徴的な表紙の絵は、西さん本人が描かれたそうですよ。
『サラバ!』あらすじ
簡単にまとめると、歩(あゆむ)の半生を記した作品です。
半生と言いましたが、歩が生まれたその瞬間から描かれるので、ボリュームとしてはかなりのものです。
変わり者の姉 貴子、誰よりも幸せになりたい母親、そして寡黙な父。
舞台をイラン、大阪、エジプト、東京と様々に移しながら、こんな家族に振り回される歩。
特に姉 貴子のインパクトが強烈です。
学校では毎日のように奇行を起こしたり、
謎のアーティストとして世間を騒がせたり、
そしてその度に母と衝突します。
そんな家族に囲まれて歩がどのように育つのか、そして大人になった歩がどうなるのか、”サラバ!”の意味とは…。
『サラバ!』オススメする理由
とにかくこの小説はセリフに感動します。
これからの人生で大切にしようと思ったセリフが3つありました。
自分を変えたい人に贈る貴子の名言①
もし今の人生に悩む人なら、きっと心に響くと思うのでご紹介させてください。
「芯を持ちなさい、歩」
出典:サラバ!
これは姉 貴子のセリフです。
というか、今回ご紹介するのは全て貴子から歩に向けられたセリフなんですけどね。
幼い頃から奇想天外な行動で周りを困らせてきた姉。
なんでも要領よくこなして周りに溶け込もうとしてきた弟。
そんな二人は歳を重ねるにつれて立場が逆転していきます。
奇想天外な行動をとっていた姉は、確固たる自分を見つけ、なんでも要領よくこなしてきた弟は、それゆえに何事にも真剣に取り組めなくなります。
そうしてふらついてた弟に向けられた言葉がこれです。
このセリフを読んで、果たして自分には芯があるのかと考えました。
きっと自分には人に誇るべき芯なんてなくて、そもそもそんなこと考えたことすらなくて。
でも生きる上で、芯はやっぱり必要だと思うんです。
少なくとも、芯のある人の方が後悔のない選択をできると、私は思います。
じゃあどうやって芯を見つけるか。もしかすると次にご紹介するセリフはそのヒントとなるかもしれません。
自分を変えたい人に贈る貴子の名言②
「信じるものを見つけなさい。あなただけが信じられるものを。あなたはあなたなの。あなたはあなたでしかないの」
出典:サラバ!
これはハッとしました。
芯を見つけるには、自分の信じられるものを見つけることが大事なんですね。
そしてそれは人と比べちゃいけない。
ごもっともなお言葉です。
他人に何を言われても、自分がこれって思えるものができれば、今の自分から変われる気もします。
けど、人と比べないってすっごく難しいです。
知らず知らずのうちに自然と比べちゃいますよね。
だからこそ、この言葉を胸の片隅に置いておきましょう。
比べちゃったなぁと思ったら、その度に思い出しましょう。
自分を変えたい人に贈る貴子の名言③
「あなたが信じるものを、誰かに決めさせてはいけないわ」
出典:サラバ!
これも刺さりますね。
自分の決断に自信が持てないとき、誰かの意見が聞きたくなったりしたことはありませんか?
その相手が友人だったり家族だったり、はたまた占いであったり・・・。
もちろん、人に相談すること自体は否定しません。
むしろ相談する方がいい時だってあります。
でも、人の意見に流されるのは、やっぱりよくないです。
「夢を追った方がいいよ」
「生きるのに一番大切なのはお金だ」
「人生なんてそんな深く考えなくていいじゃん」
みんなにはみんなの意見があります。
ゆえにかえって混乱するかもしれません。
なのでその意見を全て鵜呑みにしてしまうのは良くないですね。
疲れてしまいますもん。
自分が信じるものは、自分だからこそたどり着けたものです。
だから、人にどう言われようが、自分が納得できればそれでいいと思います。
『サラバ!』/西加奈子 まとめ
”サラバ!”とは・・・
・作中の”芯”にまつわるセリフは必見
・文量多いがテンポ良くて読みやすい
最後までお読みいただきありがとうございました!