木曜日にはココアを/青山美智子 感想・評価 共感できる名言5選【感動本】
・自分の居場所がないと感じている人
・夢に近づけていないと感じている人
人生に何の楽しみもないや。
私はどこに行ってもダメなのかも。
短編小説にハマってます!
そんな人に紹介する感動本は、青山美智子さんの小説『木曜日にはココアを』です。
『木曜日にはココアを』を読めば、以下の3つを学ぶことができます。
・自分だからできることがある
・自分の道を歩いていく
優しい気持ちになれるほっこりした小説です。
著者 青山美智子ってどんな人?
『木曜日にはココアを』の説明の前に、著者である青山美智子さんについて簡単にご説明させてください。
まだ作品数自体は少ないですが、これからもっと有名になっていくであろう小説家です。
ご自身がオーストラリアで働いていたという経験もあってか、『木曜日にはココアを』もシドニーと深い関わりのある小説になっています。
木曜日にはココアを/青山美智子ってどんな本?
『木曜日にはココアを』は青山美智子さんの短編小説です。
構成としては以下の12の章から成り立っています。
- 木曜日にはココアを [Brown / Tokyo]
- きまじめな卵焼き [Yellow / Tokyo]
- のびゆくわれら [Pink / Tokyo]
- 聖者の直進 [Blue / Tokyo]
- めぐりあい [Red / Sydney]
- 半世紀ロマンス [Grey /Sydney]
- カウントダウン [Green / Sydney]
- ラルフさんの一番良き日 [Orange / Sydney]
- 帰ってきた魔女 [Turquoise / Sydney]
- あなたに出会わなければ [Black / Sydney]
- トリコロールの約束 [Purple / Sydney]
- 恋文 [White /Tokyo]
私のお気に入りは『きまじめな卵焼き』『カウントダウン』『あなたに出会わなければ』です。
木曜日にはココアを あらすじ
あらすじはというとですね・・・
川沿いの桜並木のそばに佇む喫茶店「マーブル・カフェ」。そのカフェで出された一杯のココアから始まる、東京とシドニーをつなぐ12色のストーリー。卵焼きを作る、ココアを頼む、ネイルを落とし忘れる……。小さな出来事がつながって、最後はひとりの命を救う--。
あなたの心も救われるやさしい物語。出典:木曜日にはココアを/青山美智子
ということです。
これをさらに簡潔にいうとですね・・・
人から人へ、数珠繋ぎになっている人生の物語です。
この小説の登場人物には特別なことは何も起こりません。
どれも現実の私たちと変わらないありふれた日常です。
しかしその日常の中で、みんながそれぞれの想いを抱えています。
そしてその想いは、国境や時間を超えて、知らない誰かのためになる。
そんな物語です。
木曜日にはココアを/青山美智子 オススメ理由【ネタバレなし感想】
『木曜日にはココアを』をオススメする理由は、大きく分けてこの2つです。
・読みやすい
・親しみやすい
それぞれ詳しく説明させてください!
木曜日にはココアをのオススメ理由① 読みやすい
まずはその読みやすさです。
『木曜日にはココアを』のボリュームにして文庫本は211ページです。
12章あるので1章あたりはたったの18ページです。
これは短編小説の中でも短い方に入ります。
なので、本を読むことがしんどい人や、まとまった読書時間を確保できない人でも、読み進めることができるはずです。
木曜日にはココアをのオススメ理由② 親しみやすい
『木曜日にココアを』は現実世界となんら変わらない日常が描かれています。
突飛な事件もファンタジー要素もありません。
しかしながら、登場人物の全員がそれぞれの悩みや迷いを抱いています。
その等身大の気持ちに、非常に共感できるんです。
「同じようなことで悩んだことある!」と思う人もきっと多いはずです。
木曜日にはココアを/青山美智子 共感できる名言5選
『木曜日にはココアを』には共感できる名言であふれています。
今回はその一部をご紹介いたします。
名言を通して、冒頭に説明した3つのことが学べるというわけです。
・自分だからできることがある
・自分の道を歩いていく
なお、ここからは本文の一部を引用します。
なるべくストーリーの本筋には触れないようにしますが、一応ここからはネタバレありとさせていただきます。
それではいきまーす!
木曜日にはココアを 名言① 合った道具
「いくら新しくて小回りが利いても、卵焼き器に中華なんて任せられない。合った道具があるんだ」
出典:木曜日にはココアを/青山美智子
これはきまじめな卵焼きでの言葉です。
この話の主人公はバリバリのキャリアウーマンで、育児は夫に任せています。
この言葉は、そんな母でもある主人公が、子どものために慣れないお弁当作りをするときの一コマです。
卵焼きひとつ満足に作れないと落ち込む主人公でしたが、ちょっと方法を変えるだけで作れるようになったんです。
この話から私は、「人間も同じじゃないかな」と感じました。
つまり、その人自身が悪いわけじゃなくて、ただ環境が合っていないだけなんだということです。
大きなフライパンで卵焼きは作りにくい。
卵焼き器で中華は作りにくい。
きっと人間も、その人だからこそできることがあるはずです。
木曜日にはココアを 名言② まっすぐに歩く
「道がまっすぐかどうかというよりも、曲がりくねった道をがんばってまっすぐ歩こうとしているならいいんじゃないかな」
出典:木曜日にはココアを/青山美智子
これは聖者の直進の言葉です。
聖者の直進の主人公は、30代中盤の女性です。
「お互いに結婚できなかったら一緒に住もうね」と言っていた学生時代からの友人が、ついに結婚することになり、複雑な気持ちを抱いています。
この言葉は、そんな悩める女性に対して喫茶店のマスターがかけた言葉です。
実際の人生でもまっすぐに進めることは少ないです。
モチベーションが下がったり、自分にはどうしようもない問題が起きたりします。
でも、まっすぐ歩けない自分を責める必要なんてないんです。
まっすぐ歩こうとしてる、それで充分なんです。
木曜日にはココアを 名言③ ご飯
「いろんな悩みがあるけど、毎日のご飯をありがたく食べているうちになんとかなる。そう思うと、少し元気が出てくるの」
出典:木曜日にはココアを/青山美智子
これは半世紀ロマンスの名言です。
半世紀ロマンスの主人公は、結婚50周年を迎えた夫婦の妻です。
この言葉は、夫がご飯をおいしそうに食べる姿を見て、主人公の妻がふと考えたときの一コマです。
さて、現実世界では悩みがあると食欲もなくなりますよね。
でも食べるってやっぱり大事なんですよ。
うつ病の私も、時々全く食欲がなくなります。
動悸が苦しくてとてもじゃないけど食べれる気分じゃないんです。
でも、食べないとどんどん気持ちも滅入ってしまいます。
難しいかもしれないですが、しっかり食べて、いつかなんとかなると顔を上げていきましょ。
木曜日にはココアを 名言④ 自分
「それぞれの人が、自分にぴったりの一枚をきっと見つける」
出典:木曜日にはココアを/青山美智子
これはカウントダウンの言葉です。
カウントダウンの主人公は日本からオーストラリアにワーキングホリデーで来た女性です。
この言葉は彼女が趣味である絵を描いていたときに声をかけられた際の一コマです。
帰国を間近にして「この先どうすればいいんだろう」と悩んでいた主人公に、この言葉はそっと寄り添いました。
現実世界でも、「これでいいのかな」「この先どうなっちゃうのかな」と将来に不安を思うことが多々あります。
でも大丈夫。
きっと自分の人生に、自分だけの意味を見つけられますから。
木曜日にはココアを 名言⑤ 時間と経験
「不遇だったのではなく、わたしが翻訳家になるためには、これだけの時間と経験がどうしても必要だったのだ」
出典:木曜日にはココアを/青山美智子
これはあなたに出会わなければの言葉です。
この話の主人公は若い頃から翻訳家を目指していた女性です。
しかし現実は厳しく、なかなか彼女の夢は叶いませんでした。
詳しい話はネタバレになるので割愛しますが、この言葉は彼女がこれまでの人生を通して感じたものです。
みなさんにもやりたいことや望んでいる暮らしがあると思います。
でも、そういった夢をすぐに叶えられる人はほとんどいません。
だからといって、そこで挫折してほしくないんです。
むしろ、それだけうまくいかなくて、回り道をしたことに誇りを持ってほしいんです。
もし挫折しそうなら、あなたに出会わなければのこの言葉を思い出してください。
きっと、その苦労も必要な時間なんです。
木曜日にはココアを/青山美智子 感想・評価 共感できる名言5選 まとめ
最後に『木曜日にはココアを』に対する個人的な感動評価をさせていただきます。
自分の気持ちに合った本を読むのが一番ですからね。
本を選ぶ際の参考にしてください。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。