終末のフール/伊坂幸太郎 感想・レビュー 人生観が変わる名言4選【感動本】
・死にたいと思ったことがある人
・人生をおもいっきり生き抜きたい人
もう生きたくない…。
いつもスパッと決断できない。
一度きりの人生、しっかり生きたい!
そんな人に紹介する感動本は、伊坂幸太郎さんの小説『終末のフール』です。
私は伊坂幸太郎さんが大好きで、文庫本は全て買い揃えております。
なかでも『終末のフール』はいろんな人にオススメしている大好きな小説です。
『終末のフール』を読めば、以下の3つを学ぶことができます。
・今後の生き方
・どんなときも生き抜く心
ハートフルな小説が好きな人には特にオススメの本です。
著者 伊坂幸太郎ってどんな人?
『終末のフール』の説明の前に、著者である伊坂幸太郎さんについてご説明させてください。
長らく第一線で活躍されている小説家です。
勧善懲悪なエピソードが多く、終盤で一気に伏線を回収する構成にはいつも驚かされます。
個人的にこれから読書を始める人には超オススメの作家です。
終末のフール/伊坂幸太郎ってどんな本?
『終末のフール』は伊坂幸太郎さんの短編小説です。
構成としては以下の8つの章から成り立っています。
- 終末のフール
- 太陽のシール
- 籠城のビール
- 冬眠のガール
- 鋼鉄のウール
- 天体のヨール
- 演劇のオール
- 深海のポール
私のお気に入りは『太陽のシール』『冬眠のガール』『鋼鉄のウール』です。
終末のフール あらすじ
あらすじはというとですね・・・
八年後に小惑星が衝突し、地球は滅亡する。そう予告されてから五年が過ぎた頃。当初は絶望からパニックに陥った世界も、いまや平穏な小康状態にある。仙台北部の団地「ヒルズタウン」の住民たちも同様だった。彼らは余命三年という時間の中で人生を見つめ直す。家族の再生、新しい生命への希望、過去の恩讐。はたして終末を前にした人間にとっての幸福とは?今日を生きることの意味を知る物語。
出典:google books
ということです。
これをさらに簡潔にいうとですね・・・
三年後に地球が滅亡する世界の住人が、残された人生のなかで、それぞれの選択をする物語です。
この小説のなかの住人の選択に、胸打たれるんですよ。
ぜひその目で確かめていただきたいです。
終末のフール/伊坂幸太郎 オススメする理由【ネタバレなし感想】
伊坂幸太郎さんの大ファンである私が、『終末のフール』をオススメする理由は、この2つです。
・読みやすい
・設定の絶妙なバランス
それぞれ詳しく説明させてください!
終末のフールのオススメ理由① 読みやすい
まずはその読みやすさです。
『終末のフール』のボリュームにして文庫本は371ページです。
8章あるので1章あたりは約46ページです。
なので長編のように身構えずとも気軽に読めるんです。
それに加えて、伊坂幸太郎さんの本はその多くがとても読みやすいです。
というのも、登場人物の考え方がひねくれていたり、
会話文がリズミカルで、まるで漫才のように感じます。
なので物語の動きがないところでも、退屈せずに読めるんですよ。
もちろん『終末のフール』でもこの会話文のおもしろさは健在です。
終末のフールのオススメ理由② 設定の絶妙なバランス
『終末のフール』の世界は8年後に地球に小惑星が衝突すると言われてから5年が経った世界です。
簡単に言ってしまうと、3年後に地球が滅亡する世界ってことです。
でも、そう簡単には言い切れない世界でもあるわけです。
確かに、小惑星が衝突する可能性は限りなく高いです。
だから世の中の大半が地球の滅亡を信じ、その結果、治安もめちゃくちゃになっています。
そうかと言って、必ずしも世界が終わると決まったわけではないんです。
何かしらのきっかけで小惑星の軌道が変わることだってあるかもしれません。
つまり、こんな不安定な世界だからこそ、人によって生き方がかなり変わってくるんです。
そして短編集という形を通して、登場人物の様々な生き方を覗けるのが『終末のフール』のおもしろさです。
終末のフール/伊坂幸太郎 人生観が変わる名言4選
『終末のフール』という小説は名言の宝庫です。
今回はその一部をご紹介いたします。
名言を通して、冒頭に説明した3つのことが学べるというわけです。
・今後の生き方
・どんなときも生き抜く心
なお、ストーリーの本筋には触れませんが、一応ここからはネタバレありとなります。
気にされる方はここで読むのをやめてください。
それではいきます。
終末のフール名言① 優柔不断
「あの時ああしてれば、とか、こうしてれば、とかいうのは、結局どっちを選んでいても同じような結果になるんだって」
出典:終末のフール/伊坂幸太郎
これは太陽のシールでの言葉です。
太陽のシールの主人公は若い夫婦です。
この夫婦の肝は夫の優柔不断さで、電車を内回りで行くか外回りで行くかといった小さいことでも考え込んでしまいます。
これはそんな夫に向かって奥さんが言ったセリフです。
同じく優柔不断な私にとって、この言葉はものすごい救いになっています。
二択で迷ったたびにこの言葉を思い出して、「どっちを選んでも大丈夫だ」と自分に言い聞かせています。
この言葉に出会って、私と同じように心が軽くなればいいなと思います。
ちなみに、太陽のシールのなかで夫婦はある重要な選択を迫られます。
小さいことでも決めれない夫とそんな夫を引っ張る妻がどんな選択を下すのか、ぜひ注目してください。
終末のフール名言② 生き方
「明日死ぬとしたら、生き方が変わるんですか?」
「あなたの今の生き方は、どれくらい生きるつもりの生き方なんですか?」出典:終末のフール/伊坂幸太郎
これは鋼鉄のウールの主人公 苗場の言葉です。
苗場はキックボクシングのチャンピオンで、3年後に地球が滅亡するこの世界でも日々のトレーニングを黙々とこなしています。
この言葉を見たとき、私は殴られたような衝撃を覚えました。
たぶん私は明日死ぬとしたら生き方が変わります。
きっと私と同じように生き方が変わる人も多いんじゃないでしょうか。
じゃあ今の私の生き方は、何年生きるのを想定した生き方なのか。
私はこの質問に対する答えが見つからなくて、私はすごく恥ずかしい気持ちになりました。
先のことをしっかり考えてないだけで、なあなあと時間を過ごしているだけなんだと気づいてしまったんです。
この問いに答えられるようなしっかりした生き方を目指していきたいですね。
終末のフール名言③ 決める
「外から見てる人はいろんなこと言えるけどね、考えて決めた人が一番、偉いんだから」
出典:終末のフール/伊坂幸太郎
これは演劇のオールの名言です。勇気がもらえる言葉ですね。
他人のことをとやかく言う人はたくさんいます。
例えば、会社に入ってみたけれど合わなくてすぐに辞めてしまった場合。
きっと周りは「根性がない」「どうせすぐまた辞めるだろ」と言う人もいるでしょう。
でもそれは当事者じゃないから言えるんです。
決めた人には決めた人なりの苦労があったんです。
だから外の人が言っていることを気にする必要はありません。
だって、”考えて決めた人が一番偉いんだから”。
終末のフール名言④ 生きる
「生きられる限り、みっともなくてもいいから生き続けるのが、我が家の方針だ」
出典:終末のフール/伊坂幸太郎
これは最終章 深海のポールの言葉です。
『終末のフール』という作品を締めくくるのにふさわしい名言だと思います。
たとえ地球が3年後に消滅するんだとしても、最後の最後までみっともなくても生きる。
そう思うと生きるってことはすっごく泥臭いことなんです。
個人的な話をすると、私はうつ病で通院しています。
うつ病になると、心の浮き沈みが激しくなって、「消えてしまいたい」と思うこともよくあります。
そんなときにこそ、この言葉を思い出します。
「生きられるんだったら、どんなに惨めでも生きなきゃ」と心を整理できるんです。
同じように「消えてしまいたい」と感じている人。
みっともなくていいんです。
一緒に生きていきましょう。
終末のフール/伊坂幸太郎 感想・レビュー 人生観が変わる名言4選 まとめ
最後に『終末のフール』に対する個人的な感動評価をさせていただきます。
自分の気持ちに合った本を読むのが一番ですからね。
本を選ぶ際の参考にしてください。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。