逃避の名言集/山口路子 感想・評価 映画や小説から学ぶ逃避の必要性
・嫌なことから逃げたい人
・逃げることを悪いことだと思っている人
・真面目すぎる人
・映画や小説の名言が知りたい人
・元気なしなし度が”たまご”、”けむし”の人
逃避の名言集/山口路子 ネタバレなし評価
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読んでほしい人:たまご、けむし
何と言っても共感できる本です。自分と似たような苦しみを抱えている人がいるんだとちょっぴり安心します。
世界の映画や小説の名言を知ることができるのも魅力の一つです。広く浅く網羅されているので、読みやすい一冊になっています。
逃げたいけど逃げれない、誰にも相談できずにいる”たまご”、”けむし”の人にオススメです。さて今回は名言の一部をこの記事でご紹介させていただきます。
紹介の前に、読んでほしい人の”たまご”とか”けむし”ってなんの話?
どれほど元気がないのかの度合いです。
詳しくは『ブログの詳細』をご覧ください!
逃避の名言集/山口路子 概要
作品名:逃避の名言集
著 者:山口 路子
出版社:大和書房
発売日:2019年7月12日
逃避の名言集/山口路子 あらすじ
逃げなさい。
周囲から見れば「とくに深刻な事情」があるわけではないけれど、いつの時代も人間は「生きるのはつらい」と嘆いている−−。
坂口安吾、三島由紀夫、岡本太郎、サガン、ピカソ、草間彌生……。時代の異端児たちは「生き抜く」ために、何からどのように「逃避した」のか。絶望に打ちひしがれているとき、誰にも理解されない悲しさを抱いているとき、人生そのものにぐったりと疲弊しているとき、胸に響く言葉。出典:『逃避の名言集』/山口路子
本の構成としては、世界の偉人や映画の名言を著者の山口路子さんが噛み砕いて紹介しています。その名言の全てが”逃避”にまつわるものです。
さて、”逃避”というと、多くの人はどこか悪い印象を持っているのではないでしょうか。
しかし、著者の山口さんは”逃避”をこのように捉えています。
私は、逃避を肯定します。
(中略)人は、「逃避」という精神の防衛能力があるおかげで、決定的な精神の破綻から救われている。出典:『逃避の名言集』/山口路子
世間の風潮では”逃げないことが正しい”という認識になっていると思います。
でもそれではいつか壊れてしまうときもあるんです。
だからこそ、ときには逃避が必要であることを、この本を通じて学ぶことができます。
ただし、人生そのものからは逃避してはいけません。それは『逃避の名言集』でも語られています。
あくまで逃避は人生を生き抜くために行うものなんです。
さて、この本では何から逃げたいかをチャプターごとに分けていて、自分に合ったものをピンポイントで探すことも可能です。
各チャプターはこんな感じです。
いかがでしたか?
今の苦しんでいる自分も、このどれかに当てはまりませんでしたか?
逃避の名言集/山口路子 感想・解説【オススメする理由】
決して勝たないけれど、戦い続けていれば、負けないのです
出典:『逃避の名言集』/山口路子
これは『「前向きに生きる」から逃げたい』の中の一つで、坂口安吾の小説の一節を山口さんが噛み砕いたものです。
ちなみに元となる坂口安吾の言葉はこちらです。
「負けぬとは、戦う、ということです。(略)決して、勝てないのです。人間は、決して、勝ちません、ただ、負けないのだ」
出典:『不良少年とキリスト』/坂口安吾
人生には勝者と敗者がいるような気がして、自分の現状を考えたらとても勝者とは程遠い…。
そんなことを思っている人もいるんじゃないでしょうか?
私もその一人です。
けど、実際は違うんです。
私たちは決して勝つことはできません。
でも同じように負けることもないんです。
生きている限り、勝者敗者なんてものは存在しなくて、みんな人生と闘っている人なんですね。
すぐに群れたがる人は「個」というものを知らないのです
出典:『逃避の名言集』/山口路子
これは『「人付き合い」から逃げたい』の一つです。
基となった名言はとある映画のセリフです。
「あなたが主張する『私たち』って何なの?私は私のことしか知らない」
この言葉はもしかしたら学生の方が刺さるかもしれませんね。
限られたコミュニティで過ごしていると、どうしても集団への意識が強くなってしまいます。そうして周りを気にするがあまり、心が疲れてしまうこともあるでしょう。
そんな時こその”逃避”です。
集団に属していても、私たちには個性があります。自分特有の考えがあります。
なかなか実行することは難しいかもしれませんが、集団から一時的にでも逃避するのに、背中を押してくれそうな言葉ですね。
子どもを傷つけないでいられる母親なんていないのです
出典:『逃避の名言集』/山口路子
これは『「家族」から逃げたい』の一つです。
基となったのは、こちらも映画のセリフです。
母親は、何をしていても、子供を傷つけてしまうもの
出典:映画『いつか眠りにつく前に』
家族から逃げたいという気持ちは、なかなか人に相談できないものだと思います。
それゆえにどんどん思い詰めて、苦しい気持ちも大きくなってしまうかもしれません。
その中でも母親の責任の大きさは絶大です。
母親に限らず、今の自分が、親としてちゃんとやれているのか不安に思うこともあるかもしれません。
そんな時、この言葉を聞くと、完璧を求める必要はないのかもと思えます。
またこの言葉は、母親以外にも置き換えることができます。
上司と部下。私と友達。
どんな関係であっても、時には人を傷つけてしまうことはあるでしょう。
なので、この言葉を聞いて少しでも気持ちが軽くなればと思います。
何もしないことは最高の創造に繋がっているのです
出典:『逃避の名言集』/山口路子
これは『「仕事」から逃げたい』の一つです。
これは今すぐにでも逃げたいって日々思っている人も多いかもしれませんね。
これは海外小説のフレーズを基にしています。
精神にとって私たちのできる最も貴重なことは、時折それを休ませてやり、(中略)何かであろうとつとめることも、何かをしようとも、一切思わないことだ
出典:『独り居の日記』/メイ・サートン
仕事に限らず、心が折れると何に対しても無気力になってしまいます。
そんな状態の自分を見て、自己嫌悪が強まってしまうこともあるかもしれません。
ただこの時間は、私たち元気なしなしにとって必要な時間なんです。
もちろん本人にとっては、ただただ流れるこの時間に本当に意味はあるのかと虚しい気持ちにもなるかもしれません。
そんな時にこそ、この言葉を思い出して、自分を肯定してあげてほしいです。
すべきことも大切な人も、探してはいけないのです
出典:『逃避の名言集』/山口路子
これは『「夢を叶える」から逃げたい』の一つです。
基となったのは、ピカソの名言です。
探すのではない、出会うのだ
私はこの言葉に出会ったとき、はっとしました。
私は今の自分には夢も、愛する人もいないと思ってしまい、虚しくもせわしない気持ちになっていました。
必死に考え、探すけれど、どうしてもこれというものに出会えない。でも、それはダメなことじゃありません。
ただ、来たる時がまだ来ていないだけなんです。
その時が来たら自然と出会うことができる、そう言い切ることは難しいですが、そう思うことも時には大切です。
逃避の名言集/山口路子 感想・評価 映画や小説から学ぶ逃避の必要性 まとめ
逃避の名言集とは…
さて、今回は名言をほんの一部だけご紹介させていただきました。本当は紹介したかったにもかかわらず、なくなくカットした名言がたくさんあります。
なので気になった方は是非本を読んでみてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました!