青春ブタ野郎は迷えるシンガーの夢を見ない 青ブタ最新作の感想・解説【感動本】
・自分に対して迷いがある人
・『青ブタ』のアニメが気に入った人
周りのことが気になる…
私ってこのままでいいのかなぁ。
アニメ『青ブタ』めっちゃ気に入った!
そんな人に紹介する感動本は、大人気ラノベである青ブタシリーズ最新作の『青春ブタ野郎は迷えるシンガーの夢を見ない』です。
『青春ブタ野郎は迷えるシンガーの夢を見ない』を読めば、以下のことを学ぶことができます。
ついつい相手によって自分を変えてしまうことに悩んでいる人にオススメのラノベです。
青春ブタ野郎は迷えるシンガーの夢を見ないはどんな本?
2014年4月にシリーズ一作目が発売されたライトノベルです。
思春期症候群という不思議現象に巻き込まれたヒロインを、主人公の高校2年生である梓川咲太が救っていくお話です。
2018年10月〜12月にはアニメ化、2019年6月には映画化されています。
そして『青春ブタ野郎は迷えるシンガーの夢を見ない』は、主人公たちが大学生になって初めての作品です。
青ブタ最新作のヒロインは誰?
広川卯月です!今日調子いいんだよね~♪#青ブタ pic.twitter.com/SJ4MO46rtI
— シエスタ最高神♥♥にぱーれんと(にーぱれんちょ) 青春ブタ野郎は妹という存在に夢を見ている (@rntoszki) February 6, 2020
『青春ブタ野郎は迷えるシンガーの夢を見ない』のヒロインは広川卯月です。
これまでの高校生編はもちろんのこと、アニメにも登場しています。
アニメにそんな人出てたっけ?
アニメでもちょこっとだけ出てたんですよ〜。
ということでヒロインの広川卯月の簡単なプロフィールをご紹介します。
アニメではちょい役にもかかわらずCVが雨宮さんであったことから、今後何かあるなと思っていた人も多いはずです。
その読み通り、大学生編の一発目でヒロインとして脚光を浴びることになりました。
青春ブタ野郎は迷えるシンガーの夢を見ない ネタバレなし感想
読み終えてまず言いたいことがあります。
それは・・・
みなさん、絶対に最後まで読んでね!
なぜこんなことを言ったかといいますと、正直、序盤は結構退屈だったからです。
しかし終盤に向かって一気におもしろくなっていきます。
良いセリフも盛りだくさんです。
だから途中で切ることなく、読み進めてほしいのです。
さて、序盤が退屈なのには理由があります。
まずは現状の説明が必要だったということです。
物語は咲太が大学1年生の9月から始まります。
その間に咲太の周りにはどういう人間関係が構築されていたか、咲太は大学以外にどんなことをしているのかといった説明が必要です。
そのなかで、高校生編の登場人物たちが今どうしているかもうまいこと織り込まなければならず、必然的に冒頭部分が長くなってしまったように感じました。
そして序盤を退屈に感じた最大の理由は、ヒロインの卯月がなかなか出てこないことです。
ヒロインの卯月が出てこないということは、物語の動きが少なくなります。
こうした理由から、「あれ?大学生編、大丈夫か?」と不安になりましたが、後半で一気にたたみかけてきます。
何より卯月の悩みには非常に共感でき、アイドルの話なのに身近にも感じました。
思春期症候群の症状は”自分以外の誰からも見えなくなる”のような派手さはないものの、卯月の悩みがよく表れていると思います。
そしてなにより、これからの大学生編で回収されるであろう伏線をたくさん張っているような印象を受けました。
新キャラクターもたくさん登場し、今後の展開から目が離せません。
青春ブタ野郎は迷えるシンガーの夢を見ないから学べること
心の弱った私が『青春ブタ野郎は迷えるシンガーの夢を見ない』から学んだことをご紹介します。
詳しいストーリーには触れませんが、小説の一文を引用しますので、注意して読んでください。
あなたは人によって自分を変えてはいませんか?
会社での自分
学校での自分
家族での自分
バイト先での自分
地元での自分
そんな自分の多さに、「どれが本当の自分なのだろう」と迷ったことがある人に、『青春ブタ野郎は夢見る少女の夢を見ない』は一つの答えをくれます。
私が思うに『迷えるシンガーの夢を見ない』のテーマは「自分」です。
卯月は思春期症候群によって自分が変わっていき、それゆえに悩んでいます。
このことに関して、咲太の意見が良いなぁと思ったので紹介します。
誰かと関わることで、自分が変わっていく。
誰かと触れ合うことで、新しい自分に気づいていく。
「『自分』なんて以外と曖昧だからな。何が自分かなんてわかるはずない」出典:青春ブタ野郎は迷えるシンガーの夢を見ない
何かに影響されて、自分が変わっていくことは普通のことなんです。
それだけ自分というのは掴みどころがなくて、曖昧なものなんです。
自分自身でも自分のことが分からないのも、よくあることなんです。
どの自分が本当の自分なのか、そんなこと自体考えなくても良いことなんです。
青春ブタ野郎は迷えるシンガーの夢を見ない ネタバレあり解説
ここからは本格的なネタバレありの解説です。
まだ本を読んでいない人は、ここから先の記事を読まないようにしてくださいね。
『バニーガール先輩の夢を見ない』との比較
青ブタシリーズ1作目『バニーガール先輩の夢を見ない』と通じる部分があったと思います。
というのも、どちらの思春期症候群にも”空気”が大きく関わっています。
比較してみるとこんな感じです。
広川卯月の場合:空気を読んで周りに近づこうとした
桜島舞衣の場合:空気を読んで周りから距離を置いた
舞衣は高校1年生の1学期に、仕事で全く学校に行けていませんでした。
舞衣がちゃんと高校に通えるようになったときには、すでにクラス内のグループが形成されていました。
その結果、周りは舞衣を自然にいないものとして扱うようになりました。
舞衣自身もそのことを受け入れ、周りから距離を置いて過ごしていたところで、思春期症候群を発症しました。
一方、卯月は空気の読めなさから周りと上手く付き合えずにいました。
大学のグループでも相手の気持ちを読むことができず、結果、周りからはあまりよく思われていませんでした。
そんなときに思春期症候群を発症し、空気を読めるようになってしまいます。
どちらも周りを気にすることで心に異常をきたしているという共通点があります。
広川卯月の思春期症候群
さて、今回の思春期症候群は、「空気の読めない卯月が、空気を読めるようになってしまう」というものでしたね。
一見すると良いことのように思いますが、卯月の心には想像以上に負荷がかかってしまいます。
このような思春期症候群を描くのに”大学”という舞台はうってつけでした。
そう感じた部分があるのでご紹介します。
高校まで制服の存在が高校生であることを証明してくれた。クラスという、ひとまずの居場所が用意されていた。
だが、大学は違う。制服もなければ、クラスもない。自分を形作っていたものを取り上げられてしまったから、無自覚に、無意識に大学生のあるべき姿を求めてしまう。そうした漠然とした不安の集合体が、理央が言う『普通』であり、『みんな』という見えない存在のことなのだろう。出典:青春ブタ野郎は迷えるシンガーの夢を見ない
大学には高校のクラスのような狭いコミュニティがありません。
学部によってはいきなりゼミがあるところもありますが、週1程度の授業しかなく、高校までのクラスとはかなり異なります。
そうした何もないところに放り出されると不安になるんです。
何かに属していないことにそわそわしてしまうんです。
その結果、みんなに合わせようとします。
その場の友人関係を維持することで何かに属しているという安心感が欲しいんだと、大学生を経験した私は思います。
終盤で卯月は大学に進学した理由を「ここに来れば『みんな』ってなんなのか分かると思った」と語っています。
卯月は空気が読めなかったときから、みんなのことを知りたいと思っていて、その望みが叶ったわけです。
そして、空気が読めるようになったからこそ、今までの自分を思って恥ずかしくなるわけです。
そう思うと、空気を読めることにも良い点と悪い点がありますね。
青春ブタ野郎は迷えるシンガーの夢を見ない 感想・レビュー まとめ
最後に『青春ブタ野郎は迷えるシンガーの夢を見ない』に対する個人的な評価を記載します。
悩みに共感してもらいたいのか、
自分の気持ちに合った本を読むのが一番ですからね。
本を選ぶ際の参考にしてください。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。